作り手紹介(竹皮編みスリッパ編 その1)
folk product「竹皮編みスリッパ」の作り手&制作現場のご紹介です。
こちらの品を作っていただいているのは、山形県・寒河江市に工房と本社を構えておられる軽部草履さんです。創業100年にもなる歴史ある会社であり、創業時より藁草履を中心とした製造を行ってこられた会社さんです。
上の写真は昭和初期の藁草履が一番多く作られたという時期のようです。働いている方々の多くは夏は農家として働き、冬の時期になると藁草履作りを行うという感じで兼業として働いていたようです。
軽部草履さんでは、現在国産の藁を使って草履を作ることは、全体の中でもほんの数パーセントにしかありません。一番の要因は「需要」ではありますが、それ以外にも草履に適した材料を確保することも困難、また実際に作れる職人さんも本当にわずかしかいない現状であります。
それでも、軽部草履さんでは昔から脈絡と続けてこられた「藁草履」を止めずに、少しづつではありますが、今でも作り続けております。
先に軽部草履さんの代名詞でもある「藁草履」のほうを先にご紹介致します。
昔の稲藁は、稲穂が長く収穫を終えた稲藁をそのまま草履の材料に使うことができたのですが、今の稲は品種改良により稲穂は短く、収穫しやすいようになってしまったため、藁草履のためにと稲穂が長い稲を栽培してもらっております。
アク抜きのために、米のとぎ汁の中に浸してから天日干しさせることで、じっくりと乾燥していき、コシのある藁になっていきます。
そのように材料にするまででも、じっくりと時間をかけて仕込んだ材料を今度は職人さんが編み込んでいきます。
今現在軽部草履さんで、この藁草履をつくれる方はこの方を含め、2〜3名ほど。
職人さんの前に置いてある木製の治具を使って、あとは手の感触を頼りにサイズなどを検討つけながらサクサクを編み込んでいきます。見ているとあまりにもサクサクと進めていくので簡単そうに見えますが、絶妙な力加減とバランスで形作っていきますので、とてもとても難しいのです!
とても根気のいる作業でもありますので、1日におよそ5〜6時間作業できるのが精一杯。
ただ編み込れた草履は、やはり綺麗です。
この藁草履づくりのノウハウを生かし、folk product「竹皮編みスリッパ」が作られていきます。
次回は竹皮編みスリッパの制作現場のご紹介です。